アーチェリー

今回は、パラリンピックのアーチェリーを紹介します。

アーチェリーは、的を狙って矢を放ち、その得点を競い合う競技です。その歴史は、狩りや闘いの道具として弓矢が使用されていた時代にさかのぼりますが、スポーツとして本格的に行われるようになったのは1600年頃と言われています。その後、第二次世界大戦で負傷した患者のリハビリテーションとして行われるようになったのをきっかけに、障害者スポーツにも取り入れられるようになりました。
パラリンピックのアーチェリーのルールは一般の競技規則に準じていますが、障害の種類や程度に応じて一部ルールを変更したり、用具を工夫したりすることが認められています。使用する弓は2種類あり、一つは、オリンピック競技でも使用される一般的な「リカーブ」です。もう一つは、弦を引く力が弱くても矢を放てるように先端に滑車がついた「コンパウンド」です。的までの距離は、リカーブ部門では70m、コンパウンド部門では50mとなっています。
極限まで集中力を高めた中で矢が放たれる独特の緊張感とともに、矢の当たった場所によって得られる得点で勝負が決まるという明快さが魅力です。また、主に屋外で行われるため、選手たちが風や雨などの条件を緻密に計算し、状況の変化にいかに柔軟に対応していくかも見どころです。

東京2020大会でパラアーチェリーの会場を満員にする

写真提供 上山選手

写真提供 上山選手

リオ2016大会に出場した上山友裕選手は、東京2020大会への意気込みに ついて、「2020年はパラリンピックを国内に浸透させる最大のチャンスです。
そしてパラアーチェリーの会場を満員にする使命が私にはあります。オリンピックが終わればパラリンピック。全力で盛り上げたいです」と語っています。また、競技の魅力については、「さまざまな障害を持った選手が同じ舞台で戦い、また、オリンピックとパラリンピックの両方に出場する選手もおり、障害の有無に関わらず同じ舞台で戦えるところが魅力です。1試合が短時間で終わるため、集中して見られるところも魅力です」と語っています。
大きな活躍が期待される日本代表選手を、皆さんぜひ注目してください。

(広報東京都平成29年9月号掲載)

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